白球と四季の河川敷グランド
君たちには若草のクローバの香りたちこめる草原の様なグランドで生まれ白球を
追いかけだした春があった。
君たちには多摩川に流れる水の匂いの中で泥にまみれてグランドを駆け回った夏があった。
君たちには枯草の飛び交う中で汗の匂いと掌の豆がつぶれた血の匂いが漂うグランドでバットを握った秋があった。
君たちには多摩川から吹き上げる寒風と霜柱の中で白球を追いかけた冬があった。
君たちはそれをこれから違う場所で、多摩川グランドでプレイしたことを続ける。
それがたとえ、白球であろうがペンであろうが
多摩川グランドの記憶と経験を糧として