【戦評】高橋直樹杯第10回関東大会 決勝 2020.9.21
連覇まであと1勝。
連覇、連覇といっても戦っている選手にとってはこの1勝。
この戦いに集中し、優勝したいその気持ちに惑いはない。
決勝戦の対戦相手は、準決勝で東関東支部夏季大会にて接戦を演じた沼南ヤングを圧倒的な打撃で撃破したオセアン横浜ヤング。
体つきも栃木ヤンベースボールクラブよりひとまわり大きな選手たちがゴロゴロいるチームで、力は数段上かもしれないと思わせる。
しかし、勝負は蓋を開けてみないとわからない。
さて決勝戦、どのような戦いとなるのか。
栃木ヤンベースボールクラブの後攻でゲームが始まる。
先発は栃木ヤンベースボールクラブのキャプテン。
先頭バッターを空振り三振に仕留め立ち上がり幸先よくスタートしたものの、続く打者にライト前ヒットを許し一死一塁。
つづく3番バッターをライトフライに打ち取り二死一塁。
ここまでボールも走っており、いつも通りの調子。
しかし、続く4番バッターのセンター前へのライナー性の打球を、前進しながら必死にダイビングキャッチを試みる。
一度はグラブに納まったかに見えたが、ボールがこぼれ二死一塁、三塁のピンチに。
続く5番打者に詰まりながらもレフト前に運ばれ2失点。
あのセンターへの打球が・・・と思わせる初回の痛い2失点。
野球は流れのスポーツであることを試合後に痛感させられる場面となった。
2回表は0点に抑えたものの、3回、4回、5回と立て続けに失点し、5回表を終わって0-7と劣勢。
栃木ヤンベースボールクラブは4回にヒットで初めて出塁したものの、4回まで1安打無得点。
特に4回裏初めて出塁したランナーを足掛かりに、一死一塁、二塁のチャンスに、5番打者のジャストミートの打球がセカンド正面の二直となりダブルプレー。
セカンドベースキャンバスよりに守っていたところにボールが飛び、無得点。
野球は流れのスポーツなのだと痛感する事態となっていた。
野球に「もし・・・」はない。「たられば・・・」もない。しかしあの打球が「もし・・・」だったら、試合展開は変わっていたのではと・・・。
5回裏の攻撃
0-7の得点差。
この回の攻撃で得点できなければコールド負けの屈辱。
しかも決勝戦でのコールド負け。
それだけはどうしても避けたい。
そんな選手の気持ちが、ベンチの思いがチームを一つにすることとなる。
この回の先頭バッターがレフト前ヒットにて出塁し、続くバッターもライト前ヒット、四球と続き無死満塁のチャンス。
続くバッターも粘りに粘ったが、最後は浅いセンターフライにて一死満塁。
無死満塁は得点が入りにくいとの野球のセオリーが頭をかすめる中、続くバッターがワンボールからの2球目、止めたバットに当たったボールが3塁線に絶妙なセーフティバントのごとくボールが転がる。
慌てた三塁手はボールを取って一塁に送球するも悪送球。
その間に2塁ランナーまで生還し、2得点。2-7とし、この回のコールド負けは逃れる。
そして続く打者の内野ゴロの間に1点追加。3-7としゲームの行方が分からなくなるそんな攻撃となったが、もっと一気呵成に攻めたい場面であった。
もう一押しできないそんな展開でゲームは続く。
栃木ヤンベースボールクラブの先発投手も6回、四苦八苦しながら、ランナーを出塁させるも相手攻撃を無失点で抑える。
6回裏の攻撃は打順もよく追加点を取りたい場面であったが、あっさり三者凡退で試合は最終回の攻防に。
7回表の相手の攻撃を無失点で抑え、3-7で最終回の攻撃。
この回の先頭バッターが初球をしっかりとたたき、ボールはセンターを越える2塁打で出塁。
よし、反撃の狼煙。サヨナラ逆転で優勝だ。
と思ったのもつかの間、後続が次々と打ち取られ結果3-7で敗戦となりました。
高橋直樹杯第10回関東大会 準優勝
さぁ、胸張って栃窪に帰ろう。
2時間半の道中・・・遠いなぁ・・・