初夏の日差しが厳しく夏本番を思わせる陽気のなか、第53回日本少年野球連盟選手権大会静岡県支部予選の決勝戦が渚園野球場にて行われた。試合開始前の突然の降雨により、グランド状態が悪化したが、幸いにも通り雨で済んだため下級生および父兄のご尽力によりベストの状態で試合を開催することができた。1回裏浜松は四球で出塁したランナーを4番町田のタイムリーヒットで先制するも、春夏連覇を掛けた菊川ボーイズさんは2回表四球とそつのない攻撃で同点に追いつく。4回表には守りのミスが出て逆転を許してしまうも、満身創痍で先発した細川の粘り強い投球のかいもあり、菊川さんペースで試合は進んでいたが、ゲームを壊すことなく後半戦を迎えることができた。劣勢のなか継投した田川も高い制球力と小気味いい投球で打者を抑え、6回表レフト玉城が難しいファールフライをダイビングキャッチ、7回表1・2塁間を抜けそうな打球をセカンドの守備に入ったばかりの伴が好プレーを見せ、バッテリーが後者を連続三振に打って取り、いい流れで最後の攻撃を迎えた。しかしながらその裏の攻撃で先頭打者が倒れ、継投した菊川ボーイズ投手の圧巻のピッチングで早くも2アウト。万事休す状態のなか、打順は1番鈴木へ。1球1球に対する「執念」みなぎる粘りを見せ四球を選び、後続の2番池谷へと繋ぐ。2番池谷も粘りを見せ、しぶとく1・2塁間へのヒットを放ち、逆転のランナーを出すことができた。菊川さんもタイムを取ってマウンドに集まるが、打席には3番キャプテン梅谷を迎える。その初球、内角低めへの直球をゾーンで待ち構えた梅谷は迷うことなく振り抜いた打球は左中間へ。午前中の雨が嘘のように澄み切った青空へ吸い込まれていく。センターフライかと思われた打球はフレイムズの団員・父母会・指導者・OBほか関係者の気持ちを乗せてフェンスを越えていきました。7回2アウトからの逆転サヨナラ3ランホームランとなり、2年ぶり19回目、夏の全国大会出場を決めることができた。
とある遠征に帯同した際のこと。試合が終わって宿泊先に到着し皆が一息ついている時、梅谷、浅井、齊藤がホテルの片隅で道具の手入れをしているところを目撃したことがあった。打った梅谷もすばらしいが、ベースコーチャーを務めた浅井、齊藤も日々の準備を怠らない姿勢に「野球の神様」が微笑んでくれた結果であり、チーム全員で掴み取った優勝であると確信した。
50歳過ぎたおっさんですが、選手達にはいろいろ教えてもらえた1日であり、とても感動的で感慨深い1日になりました。